casting
シリコロイA2はSi(シリコン)を多く含む析出硬化系ステンレスで、鋳造品でありながら1400MPaの高強度、SUS304相当の耐食性を有します。さらにはSiを多く含むため、溶湯の湯流れ性が良く薄肉鋳造品をつくりやすい特徴があります。
01
シリコロイは優れた湯流れ性を持ち、複雑な形状の金属加工が可能な金属です。そのため、強度を保ちながら薄肉鋳造のスクリューや、メーカーでないと製作ができないような複雑な形状のパーツなども、再現することが可能です。
表は、横スクロールが出来ます。
材質
主成分
(mass%)
流動距離
(mm)
溶解温度
(℃)
溶解温度と鋳込み温度の差(℃)
SCS13との比較(倍)
シリコロイA2
0.02C-0.35Si-11Cr-7Ni-Fe
466
1560
53
2.1
シリコロイB2
0.02C-0.39Si-19Cr-9Ni-Fe
625
1574
96
2.8
シリコロイD
0.02C-0.95Si-18Cr-14Ni-Fe
480
1567
86
2.2
SCS13(SUS304相当)
0.05C-0.55Si-20Cr-10Ni-Fe
233
1550
50
1.0
02
高硬度と靭性を兼備し、衝撃に耐える性質があります。表面は硬く、内面は靭性がある特徴を活かし、大橋の支承ローラーとして採用されています。
表は、横スクロールが出来ます。
材質
熱処理
記号
熱処理条件
引張強さ(Mpa)
耐力
(Mpa)
伸び
(%)
絞り
(%)
硬度
(HRC)
シリコロイA2
(圧延・鍛造品)
固溶化熱処理
ST
1050℃/WQ
1100
850
12.0
67.0
32~36
シリコロイA2
(圧延・鍛造品)
時効硬化熱処理
AG
480~490℃/AC
1700
1600
7.0
35.0
≧48
**(48~52)
固溶化熱処理
ST
1050℃/WQ
1000
480
6.0
30.0
28程度
シリコロイA2
(鋳鋼品)
時効硬化熱処理
AG
480℃/AC
1400
900
4.0
5.0
43程度
SUS304
固溶化熱処理
ST
1050℃/WQ
635
285
58.0
75.0
HV200
V200(HRC10)
SUS316L
固溶化熱処理
ST
1050℃/WQ
563
254
56.0
77.0
HV200
≦HV200(HRC10)
SUS630
固溶化熱処理
S
1050℃/WQ
1100
650
16.0
72.0
31
SUS630
析出硬化熱処理
H900
480℃/AC
1390
1240
17.0
63.0
40~45
上記は丸棒及び鋳鋼品の機械的性質の一例です。ご参考程度にお考えください。
(形状、熱処理条件、鍛錬比、清浄度等によって変動する可能性があります。)
** 実用範囲での一例
強度の高いシリコロイで作られたタンク用バルブを製造。
これまでは指定メーカーの物を使用し買い替えていたものを、湯流れ性の高さを活かし、部品を当社で請負いました。
連鋳ロールを製造。
シリコロイの活用事例